イベントレポート
石山緑地薪能 あたら夜の月影 -覧古考新-
現代に甦る、伝統と革新の響き


Nanase Kishida|2025.8.27
昨年8月10日(土)に本番を迎えた 石山緑地薪能「あたら夜の月影 -覧古考新-」。
IAM設立1年目の年に人と人との心がひとつになることを味わわせていただいた大舞台。
私たちIAMはそれぞれが持つ個々の強みを活かし様々な面でサポートさせていただきました。
素晴らしい時間を作り上げることができた夏の1日。社員一同決して忘れることのない大事業でした。
伝統芸能・能楽。その600年を超える歴史に、いま一度新たな命を吹き込むべく
札幌という地に集った名手たちとともに、私たちがこれまで培ってきた映像・音響・照明の技術を駆使し
まるでお客様自身がその舞台の中にいるような、引き込まれるような…
薪能の伝統を尊重しながらも、「今、ここでしか味わえない薪能」として
五感の全てで能楽を堪能できる舞台を作り上げることができました。
主催である札幌市教育文化会館・札幌コンサートホール キタラ・札幌市芸術文化財団 様をはじめとし
この事業に係ったすべての皆様のお力がひとつとなり築き上げられた、この歴史に名を残す素晴らしい大舞台に
IAM一同全員が様々な役目で関わらせていただけたことは感謝してもしきれません。

舞台
月明かりに照らされる、屋根を持たない能舞台が荘厳な姿を現しました。
背の石山緑地の石壁がホールの様相を呈し、能舞台の背景には木々がゆらめきました。
揺らめく炎をはじめとする伝統的な薪能の魅力を最大限に引き出しつつ
現代の照明技術と、石段に投影したプロジェクションマッピングを使って
月明かりに照らされる幻想的な世界観を演出しました。
立体音響技術を取り入れることで
自然の音と能楽の音が調和し、360°から聞こえてくる音によって
観客の皆さまをを幽玄の世界へと誘いました。
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舞台裏を支えたクリエイターたち
Kyosuke Baba
”いつか能の世界感を感じるものを作りたい”
そう心に秘めていた想いを通り越し、能そのものに携わることが実現しました。
我々は日々、情報に囲まれ、親しみ、晒されて
情報が『有る』ことに慣れてしまっています。
その真逆である、徹底して情報を削ぎ落とした能楽の精神
美しさと伝統を現代人である我々はどのように楽しむべきなのか?
何度も何度も舞台が立つ前の石場に佇み考え、その時間の中に
私にとっての答えがありました。
私が思うに、能は思想の芸術です。
思想する余地、思想する謎有り
理解する必要はなく思想する時間を提供することなのだと...
感動や喜びを与えるなんて、おこがましい。
お客様の思想する力を信じ、思想の入り口を作るだけなのだと。
いにしえと現代の差異を考え
現代ならではの導入と流れを組み上げる。
そして何よりもの楽しみが、能楽師の皆さんからの教えです。
「能は、崩す事なく積み重ね、今が最先端である。」
この想いを胸に臆することなく『いま』を作ろう。
ならば現代の技術で、600年前に帰ろう、能楽を屋外で間近で少人数で楽しんでた時代に。
しかしながら、今回のお客様は1500人を超える規模。
叫び声すら届かない。
でも、それを解決できるのが現代の技であり、これまで繋がりを築いてきたスキルを持った頼もしい仲間たち。
企画から現場まで、スタッフ全員の知恵と努力により『いま』を作ることが実現したものと感じております。
そんなスタッフに囲まれ
企画・演出・舞台制作指揮・CM演出制作・映像監督を担当させていただいたことに喜びを感じております。





Eriko Honda
8月の暑い最中、準備から本番までの4日間携わってくださった皆様、本当に有難うございました。
皆さんの「美味しかった!」の声で私たちも頑張れました。
普段、私は企業へのレシピを提供したり、広告のフードスタイリングを主に活動しています。
クライアントとなる方々は企業が多いため、食べ手側の反応を直接見ることはできません。
今回の現場では食べることが皆さんの楽しみとなる様に何度もレシピを変更し頭を悩ませ
料理を自ら提供する事が出来たこと、皆さんの反応が直接見られる環境となり、私にとってとても豊かな経験となりました。
改めて食の大切さを感じ、今の私に影響をもたらしていることは間違いありません。
ケータリングという分野は、大きな大きな舞台の小さな力だったかもしれませんが、それでも皆さんの力になれていたら嬉しい限りです。
最後に、ケータリングチームのみんな本当にありがとう!バッタバタでしたが楽しかったのはみんながいたからこそでした!
Ryo Ohkawara
現場での映像撮影および、事前告知用CMの撮影を担当しました。
薪能という繊細な舞台空間を壊さぬよう、馬場と相談し観客への配慮を最優先に、撮影方法を工夫しました。
座ってみている観客の視界を遮らないよう、有人カメラに加えSONY FR7(以下 FR7)を6台使用した無人遠隔撮影を実施。
さらにクレーンを使用することで、通常の能楽映像ではなかなか体験できない、ダイナミックで多角的なアングルを実現しました。
演者の繊細な所作や、舞台全体の広がり、そして観客席越しに広がる夜空までも、立体感をもって捉えることを目指しました。
また、FR7の持つ高感度耐性を活かし、低照度のなか繰り広げられる薪能の空気感を忠実に記録することにも成功し
薪の炎と月明かりに照らされた石山緑地の情景を、繊細に映像に収めることができました。
また、事前に弊社で製作したTVCM(映像はこちら)は多くの方に届き
実際に「CMを見て興味を持ち、初めて薪能を鑑賞しましたが、想像以上の感動でした。来年もぜひ開催してほしいです。」という声も寄せられました。
ただ映像を記録するだけでなく、感動を広げる力を持つコンテンツを作ることができたことに、大きな手応えと喜びを感じています。
今回の舞台撮影にあたり、FR7・レンズを提供いただいたソニーマーケティング株式会社様に多大なる感謝をお伝えします。





Kohei Kawamura
自然と一体化して行われた今回の薪能の現場では、スチール撮影と舞台制作を担当させていただきました。
出演者、お客様、スタッフ一同で作り上げた石山緑地の舞台は
世の中から切り離された特別な空間だった気持ちになりました。
舞台制作では主に篝火の管理や、スタッフ動きの補助などを行い
スチール撮影では、五感で感じられるものを写真に写すことを意識して撮影していました。
本番中の篝火の管理は、普段照明部として私たちの撮影を手伝ってもらっている濱さんが僕の相方となって尽力してくれました。
篝火は薪能にとって、とても大事な役割を持っている分、スチール撮影をしながらも意識を張り巡らせてました。
どんな動きも全ては成功の為に。
また特別な時間を共有できる日を心から楽しみにしております!!
Nanase Kishida / Yuka Ichikawa
私たちはケータリングチーム6人で
演者様とスタッフの方々へ4日間の昼食・軽食・夕食を合わせて約700食分の調理を担当しました。
ケータリングの打合せは約1ヶ月前から始まり、栄養バランスや美味しさ、見た目の美しさ、選べる楽しさを重視して何度も打ち合わせを重ねました。
食材・資材の買い出し、仕込み、現場での調理、ご提供までこだわって行いました。
皆様が炎天下で身体を動かし、奪われた体力と栄養をしっかりサポートできるよう、食事だけでなく、豊富なお飲み物やお口直しのデザートなど、出来る限りご用意し、皆様にご提供いたしました。
ケータリングチーム誰1人として欠けてはならない状況の中、良いチームワークで和気あいあいと、一丸となって取り組めた素晴らしい経験となりました。
皆様の笑顔と、「美味しかった!」のひと言が何よりもの励みとなり、嬉しかったです!


弊社製作
石山緑地薪能「あたら夜の月影 -覧古考新-」 TVCM
石山緑地薪能「あたら夜の月影 -覧古考新-」は
多くのお客様にご来場いただき、盛況のうちに幕を閉じました。
伝統芸能である能の魅力を現代の技術と融合させた本公演は、観覧者のみならず
能楽関係者や文化芸術振興関係者からも高い評価を受け
薪能の新たな可能性を示す機会となれたと思っております。
北海道・札幌の新たな夏の風物詩として
多くの感動を呼び起こした本イベントを通じ
株式会社IAMは「伝統」と「革新」をつなぐ意義を改めて実感しています。
今後も文化芸術イベントの企画・演出・制作を通じて
皆様に心動かす体験をお届けし、地域文化のさらなる発展に貢献してまいります。















